新薬開発の現場になくてはならないのが治験コーディネーターです。治験の協力者に対して流れの説明、精神的なケアなどを行います。治験コーディネーターになる上で基本的に資格は必要ありませんが、新薬開発に携わる業務という性質上、元医療従事者の方が採用で有利になります。

ちなみに治験コーディネーターになるためには、SMOに所属して派遣という形態で働くか、CRC業務を実施する医療機関に入職するという方法か、製薬会社に直接雇用されるといった方法があります。

特に看護師は日常的に患者さんのケアやサポートを実施しており、コミュニケーション能力も高いため、適任だと言われています。治験協力者が副作用を発症した場合、それにいち早く気づけるのも強みです。

看護師はチーム医療の一環を担っており、医療従事者同士の関係を円滑にする能力が高いです。それゆえ医療機関での経験がない人よりも、看護師は積極的に採用される傾向があります。特に管理職として活躍していた看護師は、判断力や人材管理の能力が高いと判断されるため、より採用率は上がるでしょう。

治験コーディネーターの従事者で最も割合が高いのは、臨床検査技師で、次いで看護師と続いています。4人に1人程度は元看護師であり、治験協力者に説明をするときに看護経験が役立ったと答えている方が多いです。治験コーディネーターの年収は300万円~400万円程度と言われており、看護師と比較すると若干少なめになりますが、残業が少なく定時で帰宅できることが多く、身体的に楽になったという声は少なくありません。